塩分を控えめにする工夫と代替調味料

塩は、レストランや家庭料理で味を引き立てるために広く使用されています。しかし、摂り過ぎは血圧を上昇させ、脳卒中や心臓病のリスクを高める可能性があります。幸いなことに、塩分摂取量を減らしながらも、美味しく調理できる方法がたくさんあります。
1. だしの活用※1
日本の伝統的な調味料で、出汁をしっかり効かせることで、うま味を引き出し塩分を抑える効果があります。
活用方法:
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かつお節・昆布・煮干し・干ししいたけなどを料理に合わせて活用する
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だし醤油で減塩に ※市販の出汁の素は塩分が含まれている商品もあるため、栄養成分表示を確認しましょう。
2. 香味野菜の活用※2
風味豊かで栄養価も高い、日本の伝統的な薬味です。香りや辛味で料理にアクセントを加えることができ、塩分を少なくしても風味を引き立てることができます。
活用方法:
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みょうがの千切りを薬味に
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青じそを刻んでアクセントに
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万能ねぎを散らして風味付け
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大葉を添えて香りを楽しむ
3. 柑橘類※2
日本特有の柑橘類は、ビタミンや食物繊維が豊富に含まれています。また、料理に酸味を加え、さっぱりとした爽やかな味わいを楽しめます。
活用方法:
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すだちを魚料理に
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ゆずを鍋物や椀物に
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かぼすを刺身や焼き魚に
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レモンを蒸し野菜に
4. 香辛料と調味料※2
塩分を減らしても、料理の風味を豊かにする、体に良い効果が期待される調味料を紹介します。
活用方法:
にんにく:免疫力を高め、血圧を下げ、コレステロール値を改善する働きがあります。
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炒め物のベースに
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肉や魚の下味に
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スープの風味付けに
生姜:消化促進や抗炎症作用も期待でき、さわやかな香りで料理にアクセントを加えます。
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温かい料理の薬味に
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魚料理の臭み消しに
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温かい飲み物に
5. その他の香辛料※2
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山椒:しびれる香りが特徴
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七味唐辛子:複合的な風味
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ごま:香ばしさを加える
実践のためのアドバイス
1. 基本の考え方
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だしでうま味を引き出す
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香りと酸味で風味を活用する
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素材の味を活かす
2. 段階的な導入
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まずは1つの工夫から始める
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少しずつ塩分を減らす
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家族と一緒に味を確認する
3. 継続のコツ
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季節の食材を活用する
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地域の特産品を取り入れる
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伝統的な調理法を学ぶ
これらの工夫を取り入れることで、塩分を控えめにしながらも、日本の食文化を活かした美味しい料理を楽しむことができます。一度にすべてを変える必要はありません。まずは身近な食材から、少しずつ試してみましょう。
参考資料
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真部真里子. "だしの風味と減塩." 日本調理科学会誌 44.2 (2011): 191-192. https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/44/2/44_191/_pdf
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宮本恵宏. "非肥満者に対する保健指導方法の開発に関する研究." Mar. 2018, https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/download_pdf/2017/201709003A.pdf